糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

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多田久也の蕎麦放浪日記

たばこ臭い3店
1 信州屋
 もう十年以上前のことである。今はどうなのかは、知らぬ。この店のそばがうまいと聞きつけて飛んでいった。川沿いに建つ風流な構えの店であった。注文してお茶を飲んでいると、隣の客のたばこが臭い。席を奥のほうに替わってもらって、そばを食べていたら、後から入ってきた客が近くでたばこを吸い始めた。もう逃げ場がない。たばこの煙を吸いながら、そばが食えるか!いまどきはこういうそば店も少ないであろうが、居酒屋や喫茶店以外の食事を出す店で禁煙にしない店主を、私は絶対に信用しない。店主が自分の味を大切にし、客に少しでも美味しく食べてもらおうという気持ちがわずかにでもあるなら、禁煙にしないわけがないのである。また、客も、たとえ灰皿が置いてあるからといって威張って吸っていいものではないと思う。周囲への影響の想像力と他人の気持ちに対する感受性の問題なのである。しかも、ここは民度の高い松本なのだよ。もう、はっきり言ってしまおう。食事中の周りの人々を気にせずに平気でたばこをふかすような人間は、私は大嫌いである。

2 そば庄 松本城店
 小澤征爾氏が来店したことが数回あったという。不思議なことに、小澤氏がよく入ると噂されるそば屋で、おいしいそば屋はない。ここはお城の裏側にある大チェーン店である。「禁煙席はありますか?」と問えば、あると言う。なるほど、よくよく眼を凝らし注意深く丹念に慎重に観察して見たら、入口に一番近いテーブルの上に禁煙席と書かれていた。座って安心したその瞬間、後悔した。周りのテーブル席の人々はぷかぷかたばこをふかしていたのである。周囲はすべて喫煙席で、私の席だけが禁煙席だったのだ。

3 弁天 本店
 縄手通りにある老舗で、中に入ると昭和初期の匂いがする。テーブルもいすも食堂という雰囲気そのものである。ときには近所のおじいさんが1人で昼からお銚子を傾けていることもある。私はこの店に来て、たばこがどうのこうのと、うるさいことは一切言わない。たとえたばこの煙が立ち上っていたとしても、それはたちまち店の雰囲気に同化してしまうのである。この店では「ざるそば」には海苔がかかっていて、「もりそば」にはかかっていないという古臭い区別がある。私はもちろんもりそばを頼む。わたしにとって海苔は邪魔者でしかない。ストロングスタイルの実力者で王道を堅固に歩むもりそばでありながら、もりそばのほうには山葵がついておらず、値段も少し安い。ざるそばよりもりそばのほうを身分が軽いと見て、もりそばを蔑すんで差別している店主の思想、姿勢、方針が、私には納得できない。おお、もりそばよ、復権せよ。海苔よ、消え失せろ。でもまあ、いいだろう。ここのそばは硬め、太めで、わたしの好きなタイプである。ところが実は、そばよりもうどんの方がうまい。コシというものが全くないクニャっとしたうどんである。もりそばのあと、おかめうどんやカレー南蛮うどんを食べるのがいつもの楽しみとなっている。

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