糖尿病の診断に使われる HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)は、これまで日本では独自の測定条件による「JDS値」が使用されてきましたが、2012年4月から世界で広く使われている国際標準の「NGSP値」を使うことになりました。
JDS と NGSP の間には約 0.4 ポイントの差があり、例えばこれまで JDS で「6.1%」と測定されていた値は、これからは「6.5%」となります。
過去の HbA1c(JDS)を見る場合は、その値に 0.4 を上乗せしてください。
なお、しばらくの間は、「HbA1c(NGSP)」「HbA1c(JDS)」などと表記される場合がありますので、ご注意ください。
糖尿病薬には種々のものがありますが、最近、全く新しい作用機序をもつ新薬が登場しました。
インクレチンという薬です。
これまでの薬と違って、消化管のインクレチンというホルモンを上昇させ、膵からインスリン分泌を促す作用があります。
作用は比較的マイルドで、低血糖の副作用は全然ありません。他の薬と違って、体重が増えやすくなることもなく、膵に負担をかけることもない良い薬です。
これまでの薬ではコントロールがつかなかった人に試みられるべき薬剤であると考えています。
内服薬と注射製剤があり、内服薬は2009年12月に発売されており、注射製剤はこれから発売される予定です。