糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

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私の好きな店(1)

冬の“大梅”と“翁”
 毎年そろそろ初雪という頃、“大梅”の鴨つけを食べなければ冬を迎える心の準備ができないという気分になる。“大梅”の蕎麦は昔から太くて硬い。私は山形県置賜地方の生まれなので、この地方特有の太くて硬い蕎麦には慣れており、どちらかといえば細く繊細な蕎麦よりもこっちの方が好みである。信州の人に山形県置賜地方の蕎麦を食べさせると、「まるでゴムを噛んでいるようだ」と言う。逆に、山形県人に信州の蕎麦を食べさせてみても、美味しいという答えはまず返ってこない。どちらの地方も蕎麦の本場といってよいはずなのに、私の感覚では、山形県人のほうが蕎麦の本場であるという自負がやや強いようだ。面白いものである。そんな山形県人に大梅の蕎麦を食べさせれば、「なあんだ、信州にも旨い蕎麦があるんだべした。しゃねがった。」と言うだろう。このように、太くて硬いそばを偏愛する人にとって“大梅”は申し分ない。このがっちりとした蕎麦は熱々の汁につけても負けることがなく、けっしてその存在感は揺るがない。鴨つけもいいが、鴨南蛮も優れている。鴨の肉も葱もしっかりとした重量感がある。
 池田町立美術館の麓にある“翁”からの風景はすばらしい。蕎麦は研究され尽くされたと思わせるほど洗練されている。もちろん美味い。“浅田”の蕎麦と似ているが、ここのは“浅田”と比べやや白っぽく太めのようだ。“浅田”とどちらが美味しいかが細君といつも話題になるが、答えはしょっちゅう入れ替わる。つまり、“翁”で食べればこっちだし、“浅田”で食べればこっち、というふうになってしまう。鴨南蛮はこの店にはないとずっと思っていたが、冬のメニューのなかに鴨南蛮があった。さっそく食べてみて驚いた。私は鴨南蛮が大好物で、鴨肉、葱、蕎麦、出汁の効いた濃い目の汁の組み合わせは和食最強の料理のひとつだと思っている。ここの鴨南蛮はこれらの素材4つとも最高レベルにあり、少なくとも松本地方では最高の鴨南蛮に認定してもいいのではないだろうか。
(大梅:安曇野市穂高牧434-3、0263-83-6561)
(安曇野翁:池田町中鵜3056-5、0261-62-1017)

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