糖尿病、生活習慣病の専門医院　松本市・多田内科医院

応仁の乱 ／ 呉座勇一（中公新書）★★
　私は戦国時代や幕末に関する事柄は他の人よりもはるかに通暁していると自負している。しかし、高校時代に理系の勉強しかしなかったので、日本史を系統的に学ぶことはなかったのである。したがって、応仁の乱などは私には全く門外漢である。この本が売れていることを知り、このさい応仁の乱という日本史史上最大の事件を勉強してみようではないかと思い立ったのである。正直に告白すると、読み進めるのがかなり困難であった。なにしろ名前も聞いたことがないような人物がたくさん登場してきて、それらの人物像も解らないままどんどん話は進んで行ってしまう。人物のメモを取り幾度も確認しないと前に進めない状況の連続だった。しかも、その日読み始める個所が理解できないため、少し前にさかのぼったところから読み始めるのだが、その日のうちに元の箇所にたどり着けないこともあった。つまり、どんどん後退してしまうのである。何度も挫折しそうになったが、「こんな本も読めないでどうする！」と自分を叱咤しながらやっとの思いで読み終えた。そこで、応仁の乱とは何だ？という質問が来たとしよう。私はこう答える。「さっぱりわかりません」と。とにかく混沌とした戦いの時代であったとしか言いようがない。（平成２９年４月）