あの日 / 小保方晴子(講談社)★★★★
私はSTAP細胞の存在を確信した。この本をしっかり読めば誰でもそう思うに違いない。あの騒動の本人が真実を告白したこの衝撃の手記が、世間にそれほど注目されなかった理由が、10数ページ読んだ時点で分かった。それは、普通の人が読んでも全く理解できないほど難しい内容であるからだ。書評を書くような人たちはたった数ページでこの本を読むことを諦めたに違いない。だからSTAP細胞が捏造だという嘘がいまだに晴れない。しかも、100人の医師が読んだとしても内容を理解できる人は多くても2,3人であろう。それが私なのである。なぜなら、私は長年細胞培養を用いた基礎的研究をしていたからだ。私は1991年、日本糖尿病学会では初となるヒトのメサンギウム細胞を用いた研究を発表し、英文論文もたくさん書いた。私は同じ研究者の一人として、筆者の怒り、憤り、無念さがわかる。STAP細胞というものは理論的には画期的な発見だが、iPS細胞よりも増殖能が極めて低く、臨床応用に対する期待度はiPS細胞とは比較の対象にすらならない。それなのに、あまりにも劇的に報道されてしまったのが悲劇の始まりであった。小保方晴子は稀に見る優秀な研究者でありながら、うっかりミスが祟ってマスコミの標的になってしまった。はじめから不正、捏造ありきの執拗で悪質な報道に将来性のある優秀な研究者が潰されてしまったのである。論文のことが何か問題になったとき、本来ならば、いっかいの若い研究者が矢面に立たされるべきものではなく、論文の最高責任者がしっかりと前面に出て対処しなければいけないはずだ。この事件の原因を分析してみると、①他の研究者の強い嫉妬心②若山の裏切③理研という汚れた体質④極悪非道のマスコミ ということになる。特に、指導者の一人である若山という男の酷さは特筆すべきものだ。裏切、嘘つき、自己保身。テレビで若山という男を初めて見たとき、私は、こんな醜悪な顔つきの男が本当に研究者かと疑ったものだが、私の勘は当っていたのだ。マスコミの酷さも呆れるばかりだ。STAP細胞の何も知らないくせに、始めから小保方を悪と決め付け、捏造記事を書きまくり、社会的に彼女を抹殺したのだ。それも取材という名目を掲げれば何をやってもよいとする非人道的な方法で。特に、毎日新聞の須田桃子とNHK取材班は極悪である。このような悪人が日本に居ることを思うと胸が悪くなる。笹井氏は須田に殺されたと言っても過言ではない。日本ではいまだにSTAP細胞は捏造の産物であり存在しないと考えられているが、最近、アメリカで別の研究家によってSTAP細胞の特許が申請されたということを知った。どのマスコミもこれを報道しようとしない。小保方晴子をいまだに悪と決め付ける評論家がいたら、私はその人を信用しない。(平成29年1月)