朝日は今日も腹黒い / 高山正之(新潮社)★★★
朝日とは朝日新聞のこと。内容はすべて毒舌エッセイである。毒舌だが胸のすくような爽快感を感じる。これを理解するには世界史に堪能で博識でなければならない。したがって、私にはせいぜい半分ぐらいのエッセイしか理解できない。白人、支那人、朝鮮人がいかに残虐で狡猾な民族であるかが書かれているが、日本人が純朴で勤勉で温厚で信義深い民族であるという思想が根底にあると思われる。彼は保守派の有名な論客でネットで見ることが多く、話が面白い。この本を読んでいると、少しばかり言葉をつかえながらしゃべる氏の表情と声が目に浮かぶようだ。彼は元産経新聞記者で長年朝日新聞と闘ってきた人である。若い頃、朝日が書いた反日捏造記事を、事実に基づいて紙面で批判したところ、朝日の部長が産経新聞に単身でどなりこんできて、「どういう料見だ。産経風情が朝日に楯突く気か。産経など潰してやる!」と見えを切ったという。日本の恥部を垣間見た。(平成28年12月)