糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

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私の本の日記(1)

証言 フルトヴェングラーかカラヤンか / 川口マーン惠美
証言 フルトヴェングラーかカラヤンか / 川口マーン惠美(新潮選書)★★★
 フルトヴェングラーとカラヤンとどっちが偉大か?どちらも偉大だと思うが、私は断然フルトヴェングラー派である。とくにベートーベンが凄い。交響曲第3、5、7,9番のCDは最高峰だと思う。1つ1つの音になんらかの意味があるように感じられるし、音楽が深淵かつ神秘的で、感情に満ち溢れている。これを聴くと居住まいを正さずにはいられない。一方、カラヤンが造り出す音楽は行儀正しく美しく、聴いていて気分がよい。しかし、何か精神的な深さに欠けているような気がする。フルトヴェングラーを哲学者と例えるならカラヤンは現実主義者と言えよう。この本は二人を知っている元ベルリンフィルのメンバーを筆者が訪ねてインタヴューしまとめたものだ。したがって、元メンバーはかなり高齢である。多くの人が80を超えているが、いずれの方々も人生に前向きでいまでも充実した生活を送っている。そういう彼らがどう評価しているか。まず全員がフルトヴェングラーを崇拝し尊敬していることが分かる。これはまあ予想どおりである。かたやカラヤンに対してはひどい評価を下すかと予想していたら、そこは意見が分かれるのである。その分かれたところがこの本の読みどころになっているようだ。(平成28年11月)

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